バリーズティー(Barry's Tea)について
バリーズティー(Barry's Tea)は1901年、アイルランド南部の中心都市コークに高級食料品店として設立されました。
はじめ、コークのプリンス通りで、自社の紅茶と共に、他社の紅茶も一緒に販売していましたが、これまで輸入されていたアッサム茶に加え、1960年代アイルランドにアフリカからケニア茶が輸入され始めると、バリーズティーは、この新しいケニア茶のブレンドを他社に先駆けて徹底的に始めました。
ケニア茶は特にアイルランドの水質に合い、バリーズティー(Barry's Tea)の新しいブレンド紅茶は、高品質で、芳醇な香り、はっきりとした水色(すいしょく)、まろやかな味が特徴となりました。
バリーズティー(Barry's Tea)の新しいブレンド紅茶は、はじめコークと南アイルランドで販売されていましたが、その美味しさは、人づてに評判を呼び、1970年〜1980年代にかけて、アイルランド全国で販売されるようなりました。
今やバリーズティー(Barry's Tea)は、アイルランドの三大紅茶メーカーの中でも、その独特の美味しさから、味で選ばれる紅茶として、アイルランド中の家庭で愛飲されてます。
紅茶メーカーとしてはまだ新しい会社ですが、アイルランドを代表する重要な紅茶ブランドになっています。
現在バリーズティー(Barry's Tea)本社は、コークのキンセールロードにあります。
エンパイヤーカップ
バリーズティー(Barry's Tea)二代目社長アンソニーバリーは、1934年、イギリスはロンドンで開かれたティーブレンディングのコンペティション、『エンパイヤーカップ』で、見事優勝の栄誉に輝きました。
それは、イギリス中のティーメーカーやティーブレンダーを驚愕させる出来事でした。
当時のバリーズティー(Barry's Tea)は、コークのプリンス通りにある小さな小売店にすぎず、まさかアイルランドから来た、田舎の小売店の店主が優勝するとは、誰もが予想すらしなかったのです。
当時、イギリスの紅茶関係者をどれだけ驚かせた事か、今でも容易に想像できることでしょう。 バリーズティー(Barry's Tea)は、アンソニーバリーから受け継がれたティーブレンディングを誇りとし、リーフティーのパッケージにエンパイヤーカップの栄誉を記載しています。
バリーズティー(Barry's Tea)とアイルランドの紅茶
アイルランドでは、一人一日6杯以上の紅茶が飲まれていて、イギリスを抜いて国民一人当たりの紅茶消費量世界一を誇っています。
沢山飲む紅茶だからこそ、アイリッシュの紅茶に対する味のうるささは人一倍です。
その中で、バリーズティー(Barry's Tea)は、高品質な紅茶として大変人気が高く、ゴールドブレンドは、アイルランドで販売されている紅茶の中で、シェアー№1の商品です。
その理由は他社に先駆けて、アフリカ茶のブレンドを始めたことにあります。
アフリカから茶葉が輸入される以前、アイルランドでは、まったくブレンドされていなルーズリーフが小売店で売られていました。
その当時の紅茶は、茶葉の美しさが一番大切だと考えられ、見た目の美しい茶葉が客の目を惹きつけていました。
ところが茶園直送の紅茶は、季節ごとに味や香りが変わるので、常に美味しい紅茶を味わいと思い始めたアイリッシュは、見た目の美しい茶葉が、美味しい紅茶であるとは限らない事に気づき、しだいにブレンド紅茶の需要が高まっていったのです。
アフリカ茶のブレンドが始まったのが丁度その頃です。アフリカでは、一年を通して新鮮で高品質の茶葉が栽培されており、そのケニア茶を徹底してブレンドに使うことで、バリーズティー(Barry's Tea)の紅茶は高品質を維持し、新鮮で、鮮やかな水色(すいしょく)を新しい特徴としたブレンド紅茶が生まれました。
そして、現在に至るまでの長い間、バリーズティー(Barry's Tea)は品質の良い紅茶として、アイルランドで高い評価を得、一流のティーブレンダーからも高い信頼を受けています。
現在バリーズティー(Barry's Tea)は、主にケニア茶とルワンダ茶、少量のアッサム茶のブレンドから作られています。
マグカップで飲むエコロジーなティーバッグ
バリーズティー(Barry's Tea)のティーバッグの箱を開けると、裸のままティーバッグが2つつながって紐もタグも付いていません。
ミシン目を切り離して、マグカップカップまたはティーポットに入れて使います。
アイルランドのティースタイルは、マグカップでたっぷり飲むことから、ティーバッグのサイズが大きく、マグカップに対応しています。
また、ティーポットにティーバッグをそのまま入れたまま利用出来るようよけいな紐やタグは必要とされません。
環境問題などが取りざたされる昨今にふさわしい、エコロジーな紅茶です。
日本人は見かけにこだわりますが、アイルランドでは、見かけより味や品質が重視されます。
ですから、紅茶も見た目の包装より、当然品質の良い物が好まれます。
バリーズティー(Barry's Tea)がアイルランドで愛されている理由が、ここにあるのかも知れません。
ちなみに、ティーバッグを取り出す時は、スプーンなどですくい取ります。
CTC製法とは
バリーズティー(Barry's Tea)はリーフティーもティーバッグもCTC製法の紅茶です。
CTC製法とは、1930年に、W・マック・カーチャー氏が考案設計によるCTC揉切機を使用する製法で、茶葉を、Crush(破壊)Tear(切断)、Curl(粒状に丸める)します。
Crush、Tear、Curlの頭文字を取って、CTCと呼ばれでいます。
最初にこの製法が用いられたのは、インドのアッサムやドアーズで、その後ダージリンを除いた全インド、その後1970年代にはアフリカに普及し、最近は、インドネシア、スリランカにも普及しています。
ケニア茶は、ほぼ100%CTC製法されています。
CTC製法の紅茶の特徴は、紅茶の抽出力が良く、短時間で紅茶が入れられることです。近年、紅茶先進国では、ティーバッグの需要が急速に伸び(市場の90%)、CTC製法の紅茶の需要もそれに伴い高まっています。
茶葉はコロ コロとした丸い粒になっているのが特徴です。
ケニア茶とルワンダ茶
紅茶といえば、インドやスリランカ産の紅茶が有名ですが、近年紅茶のエース格として、紅茶メーカーの注目を浴びているのが、アフリカ産の紅茶です。
1900年初頭、イギリスによって開発が進められた東アフリカ(ケニア、ウガンダ、タンザニア、ルワンダ、ブルンジ)の中の代表格がケニアです。
ケニアは、茶の栽培に理想的な気象条件に恵ませていて、一年を通して安定した高品質の茶葉が生産されています。
ケニア茶は、鮮やかな水色と、香り高く、渋味が少なく、それでいてコクがあり、ストレートはもちろんミルクティーやアイスティーにも向いている紅茶です。
ケニアは、紅茶生産国としては、インド、スリランカに次、世界第三位。紅茶輸出国としては、世界第一位です。
また、ルワンダ茶は、紅茶の色が大変美しくでる茶葉として、近年人気の高い紅茶です。